京都信用保証協会中丹支所整備事業

CLTリノベーションによる持続可能な建築計画

　今回のプロジェクトではSDGsを念頭に、LCC及びLCCO2に配慮した地球環境に可能な限りストレスのかからない方法（CLTを用いた増築+既存リノベーション）のサスティナブルオフィスビルのケーススタディである。また、必要床面積の約50%をリノベーションとして建設コストの高騰や資材不足といったリスクの軽減にも配慮し、 実行強度の高いプロジェクトとしている。

 <基本構成>
・既存鉄筋コンクリート造建物に必要機能を備え持つCLTブロックを付加し施設全体のプログラムがアップデートしやすい建築構成となっており、プログラムの更新が必要となった際にも順応しやすい柔軟性の高い建築計画とした。

・CLTパネル工法の主体構造を可能な限り現シとして木の温もりの感じられる空間構成としています。また、既存建物とCLT棟の接点には吹抜空間を挟み込み、明快な構造的ゾーニングを施して互いの建物に構造的ストレスが生じないように配慮し構造解析のし易い構成とした。(構造設計:ルート1)

・省エネルギー性能評 価値BEI0.5以下を見据え施設全体の温熱環境を整え、知的生産に貢献する創造的環境を計画すると共に、カーボンニュートラルに向けたZEB改修の計画も盛り込んでいる。

<未来につなぐ>
今回のプロジェクトでは木造建築物の新しい技術的解法を示すと同時に、全国各地に溢れる空き家、空きビルといった 社会的な問題を抱えている状況にストック建築物の蘇生術の一例を示す。
ライフサイクルコストの削減、持続可能な社会の構築を目指した、未来につなぐサスティナブル建築を提案する。

基本情報

・所在地　：京都府福知山市

・主要用途：事務所

・敷地面積：1,058.39㎡

・建築面積：422.33㎡

・延床面積：642.83㎡

・規模　　：地上2階建

・主体構造：鉄筋コンクリート造、木造（CLTパネル工法）

・Tag　　 ：バリアフリー、省エネルギー、京都、フリーアクセスフロア、太陽光発電、ZEB ready、関西、CLTパネル工法