省エネルギー検証型ビルディング|京都市_サスティナブルオフィスビル設計
『フレキシブルな素型の設計とSDGs』
コンセプト
京都への南方面からの玄関口東寺。東寺より徒歩10分ほどの計画地にWOOD.ALCを壁装材として利用した省エネルギー検証型サスティナブル・ビルディング(オフィスビル)を設計した。
このオフィスビルプロジェクトでは、ZEB(Net Zero Energy Building)、IoT(Internet of Things)、デジタルサイネージ(Digital Signage)等々、日々進化、更新されていくエネルギー関連システムに柔軟に対応できる建築が求められた。
建築条件としては、京都でよく見られる細長い敷地(奥行き40mほど)に、駐車場10台以上、倉庫、事務所、ショールームといった複合用途の条件が与えられた。
1階は用途的に駐車場、倉庫、客用&職員エントランスが混在するのだが、ピロティ形式とすることで、車両の出入りと客人用アプローチ、職員用アプローチ、倉庫動線をスムースかつ明確に分離することが可能となった。
2階・3階にはショールーム的な意味合いも含む事務室空間が求められ、各エリアを明確な位置付(用途の限定)をしない室空間として設定し、各々の接点にバッファゾーン(中間領域)となるホワイエを設けて、緩い意識下での繋がり、切り離しの可能なゾーニング計画を試みている。
この意識の連続性が空間的にも連続することとなり、フレキシブルなレイアウトにも対応できる建築ができあがった。
エネルギー計画的には、前述のシステム構築は勿論のことながら、社会的な取り組みであるSDGs(持続可能な開発目標)における設計意識として、サスティナブルな環境を配慮した建築設計を行うことが求められていると考えた。
外皮性能を高めた(エネルギー損失を抑えた)ハード(身体)と、血流の如く建物内を巡るエネルギーシステム。これらが新陳代謝を繰り返し更新できるストレスフリーな建築システムの構築こそが、SDGsの理念(エネルギー、成長・雇用、イノベーション、都市、生産・消費など)に準ずるサスティナブルな建築ではないかと再考する良いきっかけとなった。
国際的な意識として「地球システムの限界の共有」を考えたいと思う。
photo:Stirling Elmendorf Photography
基本情報
・所在地 :京都市南区
・主要用途:オフィスビル/事務所(倉庫付)
・敷地面積:491.89㎡
・建築面積:295.11㎡
・延床面積:802.28㎡
・規模 :地上3階建て
・主体構造:鉄骨造、一部wood.ALC