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高気密高断熱について考える|快適さを支える住まいの性能

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高気密高断熱について考える|快適さを支える住まいの性能

高気密高断熱について考える|快適さを支える住まいの性能

2021/04/18

近年、「高気密高断熱」という言葉を耳にする機会が増えました。

夏は涼しく、冬は暖かい。

光熱費を抑えられる。

健康にも良い。

そのような住まいとして紹介されることが多い一方で、「高性能住宅とは何か」が数値だけで語られる場面も少なくありません。

しかし、本当に大切なのは、

「どのような暮らしを実現したいのか。」

という視点なのではないでしょうか。

住まいの性能は、それ自体が目的ではありません。

家族が安心して過ごし、季節の変化を穏やかに受け止めながら、日々を心地よく積み重ねていくための土台となるものです。

今回は、高気密高断熱住宅の仕組みと、その先にある暮らしについて考えてみたいと思います。

 

□高断熱とは「外の影響を受けにくくすること」

高断熱とは、外気の暑さや寒さを室内へ伝えにくくする性能のことです。

壁や屋根、床に断熱材を施し、窓には複層ガラスや高性能サッシを採用することで、

・夏は外の熱を遮る

・冬は室内の暖かさを逃がしにくくする

といった効果が期待できます。

住まい全体が「魔法瓶」のような状態になることで、室温の変化が穏やかになり、一年を通して快適な環境を維持しやすくなるのです。

参考写真:高気密高断熱住宅_宝塚市の家(兵庫県)/設計監理・片岡英和建築研究室

 

また、断熱性能は建物の構造や熱容量とも関係します。

木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など、それぞれの特徴を理解しながら、暮らし方や敷地条件に応じた計画を行うことが大切です。

 

□高気密とは「計画した空気の流れをつくること」

どれだけ断熱性能を高めても、建物に隙間が多ければ、その性能を十分に発揮することはできません。

高気密とは、住まいの隙間をできる限り少なくし、計画された換気が適切に機能する状態を指します。

気密シートや気密テープなどを用いて丁寧に施工することで、

・冷暖房効率の向上

・室内環境の安定

・壁内結露の抑制

・換気性能の向上

などにつながります。

高気密とは「密閉された息苦しい家」をつくることではなく、

「必要な場所で適切に換気し、空気の流れをコントロールすること」

と言い換えることもできるでしょう。

参考写真:気密シートの施工状況_宝塚市の家(兵庫県)/設計監理・片岡英和建築研究室

 

□高気密高断熱がもたらす暮らし

*一年を通して快適に過ごせる

高気密高断熱住宅では、外気の影響を受けにくいため、室温の変化が穏やかになります。

真夏の厳しい暑さ。

冬の底冷えする寒さ。

そうした季節によるストレスが軽減され、家のどこにいても快適に過ごしやすくなります。

快適性とは、特別な贅沢ではなく、

「日常を当たり前に心地よく過ごせること」

なのかもしれません。

「暖かい家」「涼しい家」と言っても、その心地よさは単純に温度だけで決まるものではありません。

光や湿度、空気の流れ、身体が感じる表面温度など、目には見えない環境が私たちの居心地をつくっています。

詳しくは、「温熱環境について考える|見えない快適性をデザインする」でもお伝えしています。

 

*家族の健康を守る

冬場のヒートショックは、室内の急激な温度差によって引き起こされます。

暖かいリビングから寒い脱衣室やトイレへ移動することで、血圧が大きく変動し、身体に負担を与えてしまいます。

高気密高断熱住宅では、部屋ごとの温度差を小さくできるため、

「家族の健康を支える住まい」

としての役割も期待できます。

また、近年の猛暑においては、室内での熱中症リスクを軽減することにもつながります。

高齢者や小さなお子さまのいるご家庭にとっても、大切な視点と言えるでしょう。

 

*無理なく省エネルギーにつながる

冷暖房効率が高まることで、少ないエネルギーでも快適な室内環境を維持しやすくなります。

「我慢して節約する」のではなく、

「頑張らなくても自然と省エネになる。」

これも高性能住宅の魅力のひとつです。

結果として、光熱費の削減だけでなく、環境負荷の低減にもつながっていきます。

 

□性能値だけでは測れない住まいの質

近年では、UA値(外皮平均熱貫流率)やC値(相当隙間面積)など、住宅性能を数値で比較する機会も増えてきました。

もちろん、こうした数値は住まいの性能を客観的に把握するための重要な指標です。

しかし、

「数値だけで、住まいの質のすべてを語ることはできません。」

例えば、同じ性能値の住宅であっても、

・光の入り方

・窓から見える景色

・家族との距離感

・天井の高さ

・素材の質感

・温度の感じ方

によって、「居心地」は大きく変わります。

また、敷地条件や周辺環境、ご家族の暮らし方によっても、最適な性能のあり方は異なります。

大切なのは、

「高い数値を目指すことそのものではなく、その性能をどのような暮らしの豊かさにつなげていくか。」

ではないでしょうか。

住まいの性能は、暮らしを支えるための大切な土台です。

だからこそ、性能と空間、心地よさのバランスを考えながら、その家族らしい住まいをつくっていくことが重要なのだと思います。

 

□まとめ

高気密高断熱住宅とは、単に性能の高い家ではありません。

外の環境に左右されにくく、一年を通して快適に過ごしやすいこと。

健康や家計への負担を軽減し、日々の暮らしを穏やかに支えてくれること。

そして、その性能を暮らしの豊かさへとつなげていくこと。

住まいづくりにおいて大切なのは、性能の数字だけを追い求めることではなく、

「どのような時間を過ごしたいのか。」

という問いに向き合うことなのかもしれません。

性能と居心地、その両方のバランスを大切にしながら、ご家族らしい住まいのあり方を考えてみてはいかがでしょうか。

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