家づくりの流れについて考える|完成までのプロセスを見通す
2021/01/28
□1. 資金計画を整える
家づくりのはじまりには、まず全体の予算を把握することが大切です。
注文住宅では、建物本体の工事費だけでなく、土地代、外構費、設計監理料、諸費用、登記費用、税金、家具・家電など、さまざまな費用が必要になります。
住宅ローンを利用する場合は、事前審査を受けることで、借入可能額の目安を確認できます。
大切なのは、借りられる金額ではなく、無理なく返済しながら暮らし続けられる金額を考えることです。
□2. 土地を検討する
土地選びは、住む環境を選ぶことでもあります。
駅や学校、買い物環境などの利便性だけでなく、敷地の形状、高低差、道路との関係、周辺建物からの視線、光や風の入り方も大切な要素です。
土地を決める前に、その敷地にどのような建物が可能なのかを建築家に相談することで、土地の可能性をより具体的に把握しやすくなります。
条件を満たすだけではなく、その敷地ならではの魅力をどう活かすかを考えることが重要です。
□3. 建物の基本方針を考える
土地の条件や資金計画を踏まえながら、建物の大まかな方向性を考えていきます。
どのような暮らしをしたいのか。
どのくらいの広さが必要なのか。
家族との距離感、仕事や趣味の場所、収納、庭との関係など、暮らしのイメージを少しずつ整理します。
この段階では、詳細をすべて決めるというよりも、住まい全体の方向性を共有していくことが大切です。
□4. 土地契約・住宅ローン本審査へ進む
土地が決まり、資金計画の見通しが立ったら、土地契約や住宅ローンの本審査へ進みます。
土地購入と建物計画、設計料、工事費の支払い時期は、それぞれ関係しています。
土地と建物をまとめて借り入れる場合もあれば、土地と建物の融資時期を分ける場合もあります。
金融機関や不動産会社、設計事務所と連携しながら、無理のない進め方を確認しておくことが大切です。
□5. 設計監理契約を結ぶ
設計事務所に依頼して家づくりを進める場合、設計監理契約を結びます。
設計監理契約では、設計図書の作成、確認申請、工事監理など、設計事務所が担う業務内容と報酬を確認します。
設計料は建物の規模や内容、業務範囲によって異なるため、事前にしっかり説明を受け、納得したうえで契約することが大切です。
□6. 基本設計・実施設計を進める
基本設計では、間取りや外観、構造、設備の大まかな方向性を整理します。
その後、実施設計では、工事に必要な詳細図面や仕様を整えていきます。
床、壁、天井の仕上げ材、キッチンや浴室、照明、電気設備、建具、収納など、暮らしに関わる細かな部分もこの段階で検討します。
ショールームで実物を確認したり、サンプルを見ながら素材を選んだりすることで、完成後のイメージを共有しやすくなります。
参考写真:パナソニック・アドバンスシリーズ
□7. 見積取得・工事契約を行う
実施設計がまとまると、建設会社や工務店へ見積を依頼します。
見積書では、工事内容や金額が設計内容に対して適正かどうかを確認します。
必要に応じて減額調整や仕様の見直しを行い、予算とのバランスを整えていきます。
施工会社を選定した後、工事請負契約を結びます。
設計事務所は、見積内容や金額の妥当性を確認し、建て主が納得して判断できるよう調整を行います。
□8. 着工する
工事契約後、確認申請などの手続きを経て、いよいよ工事が始まります。
着工前には、地鎮祭を行う場合もあります。
また、工事中は近隣への配慮も大切です。
着工前に近隣挨拶を行い、工事期間や作業内容について丁寧に説明しておくことで、安心して工事を進めやすくなります。
工事中は、設計者が工事監理を行い、図面通りに施工されているか、設計意図が現場で実現されているかを確認します。
□9. 検査・引き渡し
工事が完了すると、施工者による確認、設計事務所による検査、建て主による確認、検査機関による完了検査などを経て、引き渡しとなります。
建具や設備の動作確認、仕上げの状態、図面との整合などを確認し、必要に応じて是正を行います。
引き渡しは、住まいづくりの終わりであると同時に、新しい暮らしの始まりでもあります。
参考写真:狭小変形敷地の住宅_カタビラ(京都市)/設計監理・片岡英和建築研究室
□まとめ
注文住宅は、資金計画から土地探し、設計、見積、契約、工事、検査、引き渡しまで、多くのプロセスを経て完成します。
一つひとつの段階で確認すべきことは異なりますが、全体の流れを見通しておくことで、不安を小さくしながら進めることができます。
住まいづくりは、単に手続きをこなすことではありません。
暮らしを考え、土地を読み解き、設計を重ね、現場で形にしていく長い対話のプロセスです。
完成までの流れを理解しながら、焦らず、納得しながら進めていくことが、自分たちらしい住まいにつながっていくのだと思います。
なお、家づくりのはじまりに大切な考え方については、「家づくりについて考える|住まいづくりのはじまりに大切なこと」もあわせてご覧ください。
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