注文住宅では、収納スペースをどこにどれくらい確保するかが重要となります。
十分な収納スペースがあれば、すっきりと整った快適な生活ができるでしょう。
ここでは、収納のよくある失敗例と、収納で失敗しないためのポイントについても解説します。

□注文住宅における収納の失敗例

失敗例1. 使いたい場所の近くに収納がない

収納スペースは十分あるのに、使いたい場所から離れた位置に収納を作ってしまうと移動効率が悪くなってしまいます。
たとえば、洗濯物を収納するなら、洗濯物干し場の近くのほうが便利です。
しかし、洗濯物干し場の近くに収納がないと、たたんだ洗濯物を、離れた収納まで持っていかなければなりません。

失敗例2. ウォークインクローゼットにあまり服が入らない

ウォークインクローゼットは中に通路があるので、設計次第では広さの割に物が置けない可能性があります。
収納部と動線を考慮しないで、ウォークインクローゼット全体の面積や体積だけで判断して、十分なスペースを取ったつもりでいると後悔する原因となります。

失敗例3. 屋根裏収納は不便な可能性あり

屋根裏やロフトを収納スペースとして設けると、デッドスペースを有効活用できます。
しかし、屋根裏やロフトまで梯子を使って、物を出し入れしなければならないのは結構面倒です。
また、屋根裏収納で、奥にしまったものを取り出すのは身体的にも大変です。
屋根裏収納やロフト収納は、なにを収納するためのスペースなのか目的を考えて作ることが大切です。

□収納を考える際のポイント

POINT①. 生活動線・家事動線を考慮する

参考写真：キッチンの裏にランドリーなどの家事動線を集約_滋賀県下阪本の家（滋賀県）／設計監理・片岡英和建築研究室

収納は、生活動線や家事動線に沿って作らないと、収納スペースはあっても使いにくい収納になってしまいます。
キッチンの近くにキッチン関連の収納を作らないと、料理のたびに離れた場所まで必要なものを取りにいかなければならず、効率が悪くなります。
また、洗濯物の収納場所が家族それぞれの部屋にばらけている場合、畳んだあと片付けるのに一苦労です。
ベランダの近くや洗濯機の近くに、ファミリークローゼットを設置すると家事動線がスムーズになります。

POINT②. 収納物の大きさに合った収納

玄関収納の参考図

せっかく収納スペースがあっても、収納したいものが入らないサイズでは意味がありません。
逆に、収納したいものよりも無駄に大きいサイズももったいないです。
たとえば、加湿器や扇風機など、季節が変われば必要なくなるものを収納するには、あらかじめ台数や収納に必要な広さなどを、計算しておく必要があります。
書籍やCDなど小さなものを収納するスペースは、サイズ感にあったサイズに高さや奥行きを調整する必要があります。

POINT3. 収納物の総量に余裕を持たせたスペースを確保する