防犯について考える|安心して暮らせる住まいのつくり方
2021/07/12
住まいづくりにおいて、「防犯」は欠かすことのできないテーマのひとつです。
しかし、防犯性を高めようとして家を閉ざし過ぎると、外とのつながりや開放感が失われ、かえって暮らしに窮屈さを感じてしまうこともあります。
安心して暮らせる住まいとは、単に侵入されにくい家というだけではなく、光や風を取り込みながら、家族が心地よく過ごせる環境とのバランスが取れた住まいではないでしょうか。
今回は、防犯という視点から、安心して暮らせる住まいのつくり方について考えてみたいと思います。
□防犯とは「閉じること」ではない
住まいの防犯対策というと、高い塀やシャッターなど、「外部を遮断すること」をイメージする方も少なくありません。
しかし、実際には閉鎖性を高め過ぎることで死角が増え、侵入者が身を隠しやすい環境をつくってしまう場合もあります。
大切なのは、「どこを開き、どこを閉じるのか」を丁寧に考えることです。
周囲からの視線を適度に取り入れながら、家族のプライバシーを守る。そのバランスの中に、防犯性と居心地の両立があります。
□侵入されにくい環境をつくる
*見通しの良さを確保する
背の高い樹木や高い塀で囲まれた庭は、安心感を与えてくれる一方で、侵入者にとっては身を隠しやすい場所になることがあります。
また、袋小路や建物の陰など、人目につきにくい場所は死角が生まれやすく、防犯上の注意が必要です。
植栽や外構計画では、見通しを確保しながら適度な目隠しを行うなど、視線のコントロールを意識すると良いでしょう。
*人の気配が感じられること
空き巣は、侵入に時間がかかることや、人に見られることを嫌う傾向があります。
道路や近隣から自然な視線が届くこと、帰宅時に明かりが灯ること、人の気配が感じられることは、結果として防犯性を高めることにつながります。
□場所ごとに考える防犯対策
*窓
窓は光や風を取り込む大切な存在ですが、侵入経路にもなり得ます。
大きな開口部を設ける場合には、道路からの見通しや隣地との関係を考慮し、人目につきやすい位置に配置することが大切です。
また、防犯ガラスや防犯フィルムを採用することで、侵入までの時間を稼ぎ、防犯効果を高めることができます。
*玄関
玄関は住まいの顔であると同時に、誰もが近づくことのできる場所でもあります。
モニター付きインターホンを設置することで、来訪者を確認したうえで対応できるようになります。
また、ピッキング対策に配慮した鍵を採用することも安心につながります。
*勝手口
勝手口は玄関に比べて防犯意識が薄れやすい場所ですが、侵入経路として狙われることも少なくありません。
ツーロックを基本とし、人感センサー付き照明などを組み合わせることで、防犯性を高めることができます。
□安心と開放性を両立する
明るく開放的な住まいは、日々の暮らしに豊かさをもたらします。
一方で、無防備な開放性は不安につながることもあります。
だからこそ、外とのつながり方を丁寧にデザインしながら、必要な場所には適切な防犯対策を施していくことが大切です。
安心できるからこそ窓を開けられ、庭で過ごし、家族との時間を楽しむことができる。
防犯とは、暮らしの自由や心地よさを支えるための土台でもあるのだと思います。
□まとめ
防犯とは、単に家を閉ざすことではありません。
敷地条件や周辺環境を読み解きながら、見通しや人の気配を活かし、「どこを開き、どこを閉じるのか」を考えることが大切です。
窓や玄関、勝手口などへの具体的な対策と、開放性とのバランスを整えることで、安心して暮らせる住まいは生まれます。
家族が心地よく過ごしながら、日々を穏やかに積み重ねていけること。その安心感もまた、住まいの大切な価値のひとつなのだと思います。
なお、敷地条件と住まいの関係については、「土地について考える|住まいの可能性を見つけるということ」もあわせてご覧ください。
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