居心地について考える|住みやすさをつくる条件
2021/07/28
「住みやすい家にしたい」。
家づくりを考える多くの方がそう願います。しかし、住みやすさの感じ方は、人それぞれ異なります。
明るいリビングで家族と過ごす時間を大切にしたい人。静かな場所で趣味や読書を楽しみたい人。子どもを見守りながら家事ができることに安心を感じる人。
住まいに求めるものは、家族構成やライフスタイル、価値観によって少しずつ変わっていきます。
だからこそ、住みやすさに絶対的な正解はありません。
今回は、「居心地」という視点から、住みやすさをつくる条件について考えてみたいと思います。
□住みやすさは、人それぞれ違う
住まいは、単に雨風をしのぐための器ではありません。
食事をしたり、眠ったり、家族と語り合ったり、一人で静かな時間を過ごしたり。暮らしのさまざまな場面を受け止める場所です。
そのため、「住みやすい家」の条件も一つではありません。
誰かにとっての理想が、別の誰かにとっても最適とは限らないからです。
まずは、「どのような家に住みたいか」ではなく、「どのような時間を過ごしたいか」を思い描くことが、住まいづくりの第一歩になるのではないでしょうか。
参考写真:明るいリビング&ダイニング_滋賀県下阪本の家/設計監理・片岡英和建築研究室
□住みやすさを支える3つの条件
*光と風を感じられること
自然光が差し込み、風が抜ける住まいは、日々の暮らしに心地よさをもたらします。
十分な採光は、室内を明るく見せるだけでなく、湿気の滞留を防ぎ、健康的な住環境にもつながります。
敷地条件や周辺環境を丁寧に読み解きながら、光や風を取り込む工夫をすることで、住まいの印象は大きく変わります。
*快適な温熱環境が整っていること
冬は暖かく、夏は涼しく過ごせることも、住みやすさには欠かせません。
断熱性能や冷暖房計画が整った住まいは、室内の温度差が少なく、身体への負担を軽減してくれます。
また、冷暖房効率が高まることで、光熱費の負担軽減にもつながります。
快適な温熱環境とは、目には見えないけれど、日々の暮らしの質を支える大切な要素なのです。
*「この家が好きだ」と思えること
住まいのデザインは、単なる見た目の美しさだけではありません。
窓辺の居場所、素材の手触り、光の入り方、視線の抜け、空間の広がり。
そうした要素の積み重ねによって、「この家にいると落ち着く」「帰ってくるとほっとする」という感覚が育まれていきます。
居心地とは、機能性と感性の両方によってつくられていくものなのだと思います。
□子育て世代にとっての住みやすさ
子育て中の住まいでは、「見守れる距離感」が大切になります。
料理をしながら、洗濯をしながら、子どもの気配を感じられること。
子どもが安心して遊び、大人も無理なく家事をこなせることは、暮らしの余裕につながります。
また、子どもの成長に合わせて部屋の使い方を変えられる柔軟性も重要です。
幼い頃は共有していた空間を、成長に応じて個室へと変化させたり、独立後には趣味の部屋や書斎として活用したり。
変化を受け止められる余白を持つことが、長く住みやすい住まいにつながっていきます。
参考写真:カタビラ(京都市)/設計監理・片岡英和建築研究室
□住みやすさは、時間とともに変化する
子育て中に心地よいと感じることと、子どもが独立した後に求めることは同じではありません。
働き方や趣味、年齢によっても、住まいとの関わり方は変わっていきます。
だからこそ、住まいには変化を受け止める柔軟性が必要です。
その時々の暮らしに寄り添いながら、家族とともに育っていく住まいこそ、本当の意味で住みやすい家なのではないでしょうか。
□まとめ
住みやすい家に、絶対的な正解はありません。
光や風を感じられること。快適な温熱環境が整っていること。そして、「この家が好きだ」と思える居場所があること。
さらに、家族の成長や暮らしの変化を受け止められる余白を持つことも大切です。
居心地とは、特別な設備や広さだけで決まるものではなく、日々の何気ない時間の積み重ねによって育まれていくものです。
どのような暮らしを送りたいのかを丁寧に見つめ直すことが、自分たちらしい住まいづくりの第一歩になるのだと思います。
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