見えにくい諸費用について考える|資金計画の全体像
2021/08/04
家づくりを考えるとき、多くの方がまず目にするのは「建物本体価格」です。
しかし、実際の住まいづくりでは、本体工事費以外にもさまざまな費用が必要になります。
設計監理料、地盤調査や造成工事、確認申請費用、外構工事、税金や住宅ローンに関わる諸費用など、その内容は多岐にわたります。
こうした費用を知らずに計画を進めると、「思っていたより予算が膨らんでしまった」ということにもなりかねません。
だからこそ、資金計画では建物本体価格だけを見るのではなく、家づくりに必要となる費用の全体像を把握しておくことが大切です。
今回は、見えにくい諸費用について整理しながら、資金計画の考え方をご紹介します。
□家づくりには「本体価格以外の費用」がある
住まいづくりに必要なお金は、大きく「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」に分けられます。
建物そのものの価格だけではなく、土地の条件や暮らし方に応じて必要となる費用も含めて考えることが、無理のない資金計画につながります。
□見えにくい付帯工事費用の内訳
*設計監理料
住まいを建てるためには、設計図書の作成と工事監理が必要です。
ハウスメーカーや工務店では建築費の中に含まれていることもありますが、建築設計事務所では設計監理料として明確に計上されることが一般的です。
設計監理には、単に図面を描くだけでなく、施工者が図面通りに工事を進めているかを確認し、各種検査への立会いや品質確認を行う役割があります。
設計者・施工者・建て主、それぞれが独立した立場で関わることで、住まいの品質を客観的に確認できることも、設計監理の大切な価値のひとつです。
*解体工事費用
建て替えの場合には、既存建物の解体費用が必要になります。
建物本体だけでなく、塀や樹木、物置、井戸、浄化槽などの撤去や処分費用が発生する場合もあります。
*造成工事費用
敷地に高低差や傾斜がある場合には、整地や擁壁などの造成工事が必要になることがあります。
一方で、土地の条件を丁寧に読み解きながら計画することで、建築と外構を一体的に考え、全体のコストバランスを整えられる場合もあります。
*地盤調査・地盤補強工事費用
建物を安全に支えるためには、地盤の状態を把握することが欠かせません。
木造住宅ではスウェーデン式サウンディング試験、規模の大きな建築ではボーリング調査などを行い、その結果に応じて必要な地盤補強を検討します。
適切な調査と工法選定は、安心とコストの両立にもつながります。
*インテリア・設備関連費用
カーテンや照明器具、エアコンなど、暮らしを整えるための設備にも費用が必要です。
新居への期待が高まる一方で、こうした費用は見落とされやすい項目でもあります。
住み始めた後の暮らしを具体的に想像しながら、優先順位をつけて検討していくことが大切です。
*外構・造園工事費用
門まわりやアプローチ、駐車場、フェンス、植栽などの外構工事も、住まいの印象や使い勝手を左右する重要な要素です。
建物と切り離して考えるのではなく、敷地全体をひとつの住まいとして計画することで、統一感のある豊かな暮らしにつながります。
□諸費用について知っておく
工事費以外にも、契約や手続きに関わるさまざまな費用が発生します。
- 土地購入時の手付金
- 仲介手数料
- 建築確認申請・中間検査・完了検査手数料
- 地盤調査費
- 住宅ローン保証料・事務手数料
- 登録免許税、印紙税、不動産取得税などの各種税金
これらの諸費用は、建築費とは別に現金での支払いが必要となる場合も多いため、あらかじめ資金計画の中に組み込んでおく必要があります。
□「知らなかった費用」をなくすことが安心につながる
家づくりで不安につながりやすいのは、「あとから知らなかった費用が出てくること」です。
だからこそ、資金計画の段階で家づくり全体を俯瞰し、必要となる費用を整理しておくことが重要です。
すべてを最初から完璧に把握することは難しくても、全体像を共有しながら優先順位を考えていくことで、納得感のある家づくりにつながっていきます。
□まとめ
家づくりに必要なお金は、本体価格だけではありません。
設計監理料や地盤調査、造成工事、外構工事、各種申請費用や税金など、住まいを形にするためには多くの費用が関わっています。
こうした見えにくい諸費用まで含めて資金計画の全体像を把握することが、予算オーバーへの不安を減らし、安心して家づくりを進めるための第一歩になります。
住まいづくりとは、単に「いくらで建てるか」ではなく、「どのようにお金を配分し、納得しながら進めていくか」を考える時間でもあるのだと思います。
なお、住み始めてから必要となる光熱費や修繕費などの考え方については、「住まいのコストについて考える|住むための費用とライフサイクルコスト」でもご紹介しています。
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