株式会社片岡英和建築研究室

スケールアウトとスケールギャップ

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memo:スケールアウトとスケールギャップ

memo:スケールアウトとスケールギャップ

2022/07/25

私たち建築家は常日頃から建築計画を進めていく上で、ヒューマンスケールを基に高さ、幅、奥行きといった3次元の寸法を決定しています。※画像はコルビュジェ(Le Corbusier)のモデュロール(Modulor)

時折り途轍もなく大きな建築物や芸術作品を観て、ヒューマンスケールから逸脱したかのような対象物をスケールアウトという言葉を使って表現することがあるのですが、地質学者たちは私たちのスケール感覚では考えもつかない地球生誕46億年、時速1700km/hで自転する地面に相対的に問題なく自立する人類、、、など、途方もないスケールの次元で物事を捉えているようです。

今回、『「災害」地球の尺度で捉える』という内容で読売新聞/清水美明氏が記事でまとめられてましたのでご紹介。

 

以下、読売新聞より抜粋

 

日本は災害が多い国だとよく耳にする。しかし災害が起きるたび、教訓がいかされなかったという話も、同じくらいよく聞かされる。いつ起きるともわからない災害を常に意識して生活するのは容易なことではない。災害の記 憶が薄れたところへまた、別の災害がやって来るのだ。しかし、もし、すべての災害と自分をーつながりに考えることができたら。

 

地球科学は、地球と人間の間に広がる、時間や空間、スピードの、途方もないスケールギャップを視覚化し、認識するのにとても役立つ。長い時間スケールで粗視化すると、地球の内部でうごめく熱いマントルはどろりとした流体、 陸地(地殻)はその上に浮く軽い板とみなせる。地球の裏側の海嶺から、のろのろと年数センチのピッチでやって来る 巨大な太平洋プレートは、冷たくて重いため、海溝から深く沈み込んでいく。地球は、こうした十数枚の動くプレートでくるまれている。そのプレートの移動は、地球の内部から出た熱いマントルが長い時間をかけて冷えて固まり、再び内部へと戻っていく、循環プロセスでもある。

 

「地質学が僕に教えてくれたことがある。それは、人間が何をやっても地球はちっとも困らないということだ。(中略)困るのは地球ではなく僕ら人間自身なのだ」

 

まず、自分が暮らすこの地球や列島を知ることから始めるだけでもいいんじゃないか。

地質学者の域に達する必要はない。せめてマントルやプレートの仕組みをかじってみる。それだけでも、この日本で暮らす限り、例えば地震は、変更不可の初期設定(デフォルト)だとわかる。

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