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耐震性について考える|暮らしを守り続ける住まい

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耐震性について考える|暮らしを守り続ける住まい

耐震性について考える|暮らしを守り続ける住まい

2021/08/11

日本で暮らす以上、地震への備えは住まいづくりにおいて欠かすことのできないテーマです。

しかし、「地震に強い家」とは、単に倒れない家を意味するのでしょうか。

大切なのは、地震の瞬間に命を守ることはもちろん、その後も安心して暮らし続けられることではないでしょうか。

住まいは、家族の時間を積み重ねていく場所です。だからこそ、耐震性とは単なる数値ではなく、暮らしそのものを支えるレジリエンス(しなやかな強さ)として捉えることが大切です。

今回は、耐震性という視点から、住まいを長く守り続けるための考え方についてご紹介します。

 

□耐震性とは、「倒れないこと」だけではない

耐震性とは、建物が地震の揺れに耐える性能のことです。

しかし、本当に目指したいのは、地震によって人命が脅かされることを防ぎ、その後の暮らしをできる限り継続できる状態を保つことです。

住まいが無事であれば、いつもの食卓を囲み、家族と安心して過ごす時間を取り戻すことができます。

耐震性とは、家族の日常を守るための基盤でもあるのです。

参考写真:耐震等級3の住宅設計_修学院の家(京都市)/設計監理・片岡英和建築研究室

 

□建物の強さを支える「耐震等級」

*耐震等級3という考え方

耐震等級とは、建物がどの程度の地震に耐えられるかを示す指標であり、1〜3までの等級があります。

その中でも耐震等級3は最高等級に位置づけられています。

消防署や警察署など、災害時の防災拠点となる建築物と同等の耐震性能とされており、住まいにおいても安心感を得やすい基準のひとつと言えるでしょう。

もちろん、間取りや敷地条件によって最適な構造計画は異なりますが、耐震等級3をひとつの目安として検討することには大きな意味があります。

 

□建物だけでなく、地盤も住まいを支えている

どれだけ強固な建物であっても、その建物を支える地盤が弱ければ、本来の性能を十分に発揮することはできません。

そのため、耐震性を考える際には、建物と地盤を切り離して考えることはできないのです。

木造住宅ではスウェーデン式サウンディング試験、鉄骨造や鉄筋コンクリート造ではボーリング調査などを通じて地盤の状態を確認し、その土地に適した基礎や必要に応じた地盤改良を検討していきます。

地盤を正しく理解することは、過不足のない合理的な構造計画にもつながります。

地盤品質証明書

スウェーデン試験結果による自沈層の検討

 

□強い住まいは、時間をかけて育てていく

地震に強い家は、新築時に完成して終わるものではありません。

長い年月の中で適切な維持管理を続けることによって、その性能は保たれていきます。

例えば、外壁や屋根の劣化によって雨水が侵入すると、柱や梁などの構造部材に影響を及ぼす可能性があります。

また、シロアリによる被害も、住まいの耐久性や耐震性を低下させる要因となります。

神社仏閣が何百年もの時を超えて残り続けているのは、特別な材料を使っているからだけではなく、時代ごとに適切な修繕と手入れを重ねてきたからです。

住まいも同じように、日常の目視点検や定期的な専門家による調査を通じて、小さな変化に気づき、必要なメンテナンスを積み重ねることが大切です。

目安として、5年ごとに専門家による点検を受けることで、大きな不具合を未然に防ぎやすくなります。

 

□耐震性は、ライフサイクルの視点でも考える

定期的な点検や修繕には費用がかかります。

しかし、それらを後回しにした結果、大規模な改修や構造補強が必要になれば、より大きな負担につながることも少なくありません。

住まいの価値は、建てた瞬間ではなく、その後どのように維持し、住み継いでいくかによって決まります。

耐震性もまた、ライフサイクルコストの一部として捉え、長い時間軸で考えることが重要なのです。

なお、住まいにかかる費用は、建築費だけでなく、光熱費や修繕費、将来の更新費用まで含めて考えることが大切です。ライフサイクルコストの考え方については、「住まいのコストについて考える|住むための費用とライフサイクルコスト」でも詳しくご紹介しています。

 

□まとめ

耐震性とは、単に「壊れないこと」を意味するものではありません。

強い地盤の上に適切な構造を備え、その性能を維持するために丁寧に手をかけ続けること。

そうした積み重ねによって、住まいは家族の暮らしを支える存在となっていきます。

地震の多い日本だからこそ、目先の性能だけではなく、その先の時間まで見据えて住まいを考えること。

耐震性とは、家族の命と日常を守り続けるための「しなやかな強さ」であり、レジリエントな住まいの根幹を支える考え方なのだと思います。

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