株式会社片岡英和建築研究室

キッチン照明について考える|暮らしの時間をデザインするということ

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キッチン照明について考える|暮らしの時間をデザインするということ

キッチン照明について考える|暮らしの時間をデザインするということ

2021/09/28

キッチンは、料理をつくるための場所であると同時に、家族との会話が生まれ、日々の暮らしの時間が積み重なっていく場所でもあります。

朝食の支度をする慌ただしい時間。夕食を囲みながら、その日の出来事を話す時間。休日にゆっくりと料理を楽しむ時間。

同じキッチンであっても、そこで流れる時間の質はさまざまです。

だからこそ、キッチンの照明は単に「明るさを確保するための設備」ではなく、暮らしの時間を整える存在として考えることが大切なのだと思います。

参考写真:キッチンのダウンライト_修学院の家(京都市)/設計監理・片岡英和建築研究室

 

□ダウンライトという選択

近年の住宅では、キッチン照明としてダウンライトを採用するケースが増えています。

ダウンライトは、天井に埋め込むタイプの照明です。器具の存在感を抑えながら空間をすっきりと見せることができるため、キッチンだけでなく住まい全体の照明としても広く用いられています。

必要な場所に必要な光を届けることができ、複数組み合わせることで空間全体をやわらかく照らすことも可能です。

一方で、器具によっては交換やメンテナンスに配慮が必要になるため、将来的な使い方まで見据えて選ぶことも大切です。

 

□作業のための光と、くつろぎのための光

キッチンでは、包丁を使ったり、食材の状態を確認したりと、正確な作業が求められます。

そのため、手元に影ができないよう十分な明るさを確保することが欠かせません。

一方で、キッチンはダイニングやリビングとつながることも多く、家族との会話や食事の時間を共有する場でもあります。

空間全体を均一に明るく照らすだけではなく、手元を照らす光と、空間全体を包み込む光を組み合わせることで、作業性と居心地の両立が生まれます。

暮らしの場面に応じて光に強弱をつくることは、空間に奥行きを与え、何気ない時間をより豊かなものへと変えてくれます。

 

□光の質にも目を向ける

照明は、明るければよいというものではありません。

食材の色や出来上がった料理が自然に見えること。光源が直接目に入りにくいこと。油汚れなどが付着しても掃除しやすいこと。

そうした日常の使いやすさも、キッチン照明を考えるうえで大切な視点です。

また、キッチンだけを独立して考えるのではなく、ダイニングやリビングとひと続きの空間として照明計画を行うことで、住まい全体に統一感が生まれます。

光の色温度や調光機能を取り入れることで、朝の活動的な時間と夜の落ち着いた時間、それぞれにふさわしい雰囲気をつくることもできるでしょう。

参考写真:スキップフロア住宅_甲賀の家(滋賀県)/設計監理・片岡英和建築研究室

 

□照明は、暮らしの記憶を支える

住まいの中で印象に残る風景は、必ずしも特別な出来事だけではありません。

夕暮れどきのキッチンで交わす何気ない会話や、食事の準備をしながら子どもの宿題を見守る時間など、日常の積み重ねが家族の記憶になっていきます。

照明は、そうした時間を静かに支える存在です。

どのような光の中で暮らしたいのかを考えることは、どのような時間を大切にしたいのかを考えることでもあるのだと思います。

 

□まとめ

キッチン照明は、空間を明るくするためだけの設備ではありません。

作業性や機能性を満たしながら、家族との時間や日々の暮らしの風景を支える存在でもあります。

ダウンライトをはじめとした照明器具の特徴を理解しながら、「どのような時間を過ごしたいのか」という視点で光を選ぶこと。

その積み重ねが、何気ない日常を心地よく照らし、暮らしをより豊かなものへと育んでいくのだと思います。

参考写真:狭小変形敷地の住宅_カタビラ(京都市)/設計監理・片岡英和建築研究室

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