ロフトについて考える|余白が暮らしにもたらす豊かさ
2021/06/04
建築には、あらかじめ用途が決められた空間があります。
リビング、キッチン、寝室、洗面室。
一方で、用途を決めすぎない空間もあります。
子どもの遊び場になったり、趣味の場所になったり、季節用品をしまう場所になったり。
暮らしの変化とともに、その役割を変えていく空間だからこそ、その家族らしい使い方ができる「余白」として、住まいに豊かさをもたらしてくれます。
今回は、ロフトという空間の魅力と、計画する際に考えておきたいポイントについて整理しました。
□ロフトとは?
ロフトとは、天井の高さを活かして設ける中二階状の空間のことです。
限られた建築面積の中でも空間を立体的に活用できるため、収納としてだけでなく、多目的な居場所として活用されています。
また、勾配天井との相性も良く、平屋やコンパクトな住宅でも取り入れやすい空間構成のひとつです。
住まいの中にもうひとつの視点や居場所を生み出してくれることが、ロフトの魅力と言えるでしょう。
□ロフトがもたらす暮らしの豊かさ
*暮らしに余白をつくる
ロフトは、「用途を決めすぎない」ことができる空間です。
子どもの遊び場として使ったり、趣味のスペースにしたり、読書や昼寝を楽しむ場所として使ったり。
暮らし方の変化に応じて役割を変えられる柔軟さがあります。
あらかじめ用途を限定しない余白があることで、住まいはより自由で豊かなものになります。
*収納として住まいを整える
季節家電や思い出の品、来客用の寝具など、日常的には使わないものを収納する場所としてもロフトは活躍します。
収納の目的や使用頻度を整理することで、生活空間にゆとりが生まれ、住まい全体をすっきりと保つことができます。
「見せない収納」としての役割も、ロフトの大きな魅力です。
収納の考え方については、「収納について考える|暮らしを整える仕組みをつくる」もあわせてご覧ください。
*子どもにとっての特別な場所になる
少し低い天井。
はしごを上る動作。
家の中にある小さな秘密基地。
ロフトには、大人には懐かしく、子どもにはわくわくする特別な魅力があります。
成長とともに使い方が変わりながらも、家族の記憶として残っていく空間になるかもしれません。
参考写真:カタビラ(京都市)/設計監理・片岡英和建築研究室
□計画する際に考えておきたいこと
*出し入れのしやすさ
ロフトは、はしごや階段を使って上り下りすることが一般的です。
そのため、頻繁に使うものを収納すると不便さを感じる場合があります。
「何を収納するのか」「どのくらいの頻度で使うのか」を整理しながら、用途に合わせた計画を行うことが大切です。
*温熱環境への配慮
暖かい空気は上へと上昇するため、ロフトは住まいの中でも暑さを感じやすい場所でもあります。
断熱性能や換気計画、空調計画を十分に検討することで、一年を通して快適に使える空間になります。
ロフトを「使わない空間」にしないためにも、温熱環境への配慮は欠かせません。
*将来の暮らしを見据える
ロフトは魅力的な空間ですが、年齢を重ねるにつれて使用頻度が変化することもあります。
子どもの成長や家族構成の変化など、時間の流れとともに役割を変えていける柔軟性を持たせることで、長く愛着を持って使い続けることができます。
□まとめ
ロフトとは、単なる収納スペースではありません。
暮らしの中に余白を生み出し、遊び心や柔軟性をもたらしてくれる空間です。
効率だけでは測れない豊かさがあるからこそ、その家族らしい使い方が生まれていきます。
住まいに少しの「余白」を残しておくこと。
それは、これから先の暮らしの変化や楽しみを受け止める余裕をつくることなのかもしれません。
高さの違いによって多様な居場所を生み出す設計手法については、「スキップフロアについて考える|高さが生み出す暮らしの豊かさ」もあわせてご覧ください。
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